内容
講義の構成は、経文(素問の本文)と和訓(いわゆる書き下し文)、解説(注釈など)からなっています。
経文は明の『顧従徳本』を基本にし、『太素経』(仁和寺本)、『甲乙経』(明抄本)との比較を中心にさまざまな文献を参考にし、さらに臨床経験を踏まえて解説しています。
本講義は、1991年4月から1999年6月まで行われたものから、素問の講義部分のみをまとめたものです。
島田隆司は生前、「鍼灸臨床を行うものは常に『素問』と『霊枢』を携えるべきだ」と常々言っていました。
『素問』を現代語訳だけしか読んだことがないというのは、鍼灸師としては少し残念な気がします。
本講義で、皆さんの『素問』に関する理解が深まり、さらには鍼灸臨床その知識が活かされれば幸いです。
講師紹介
島田隆司(1932-2000)
慢性肝炎から回復したことをきっかけに31歳で鍼灸学校に入学。
『素問』の講義に魅せられ、学生時代から丸山昌朗先生に師事し、古典、刺絡、教育など、鍼灸の発展を願って精力的に活動。
・学会関連
・日本経絡学会(就任後に日本伝統鍼灸学に改称)会長(1995-2000)
・日本刺絡学会設立に尽力し副会長就任(1992-2000)
・日本内経医学会を設立し会長就任(1988-2000)
・学術交流
・日中内経学術交流(1985,1987,1992)
・第1回国際内経学術研討会副会頭(1997)
・教育関連
・東洋鍼灸専門学校講師
・東京衛生学園臨床教育専攻科講師
恩師丸山先生と
鍼灸学生時代より丸山昌朗先生に師事
右から2人目が丸山先生
日本刺絡学会評議員会
設立に尽力し副会長に就任
前列右から3人目が初代の日本刺絡学会会長の
森秀太郎先生
推薦文をいただいた宮川先生と
1985年の天津との第1回日中内経学術交流の際に
お二人とも若いです(笑)
推薦の言葉
日本内経医学会前会長
日本伝統鍼灸学会相談役
宮川浩也先生
謦咳に接す
先生が在りし頃は、『素問』の講義を直に聞くことができた。先生の近くにいて、じわじわ炙られるように教化されたのである。
亡き後は、講義記録を読んで、ひそかに教えてもらうしかなかった。昔はこれしか無かった。
このたび、講義録音が流れるという。面前に先生はいないのだが、声だけは聞こえてくる。先生の息吹に触れることができるのである。昔は無かったことだ。
謦咳に接すとは、先生のせきばらいを聞くような距離で教えを受けることだが、今回の取り組みはまさにこれである。先生の講義を聞きながら講義録を読めば、じわじわ染みこんでくる。良い時代になりました。
不肖の弟子 宮川浩也
講義内容
『黄帝内経素問』の運気七篇と佚篇を除く七十二篇の講義です。
王冰による序文の部分をサンプルとして公開していますので、参考にご覧ください。
- 本講座について(受講前に必ずお読みください)
- 王冰序
- 上古天真論篇第一
- 四気調神大論第二
- 生気通天論篇第三
- 金匱真言論篇第四
- 陰陽応象大論第五
- 陰陽離合論篇第六
- 陰陽別論篇第七
- 霊蘭秘典論篇第八
- 六節蔵象論篇第九
- 五蔵生成篇第十
- 五蔵別論第十一
- 異法方宜論篇第十二
- 移精変気論篇第十三
- 湯液醪醴論篇第十四
- 玉版論要篇第十五
- 診要経終論篇第十六
- 脈要精微論篇第十七
- 平人気象論第十八
- 玉機真蔵論篇第十九
- 三部九候論篇第二十
- 経脈別論第二十一
- 蔵気法時論篇第二十二
- 宣明五気篇第二十三
- 血気形志篇第二十四
- 宝命全形論篇第二十五
- 八正神明論篇第二十六
- 離合真邪論篇第二十七
- 通評虚実論第二十八
- 太陰陽明論第二十九
- 陽明脈解篇第三十
- 熱論第三十一
- 刺熱篇第三十二
- 評熱病論第三十三
- 逆調論第三十四
- 瘧論篇第三十五
- 刺瘧篇第三十六
- 気厥論第三十七
- 欬論第三十八
- 挙痛論第三十九
- 腹中論第四十
- 刺腰痛篇第四十一
- 風論篇第四十二
- 痺論篇第四十三
- 痿論篇第四十四
- 厥論篇第四十五
- 病能論篇第四十六
- 奇病論篇第四十七
- 大奇論篇第四十八
- 脈解篇第四十九
- 刺要論篇第五十
- 刺斉論篇第五十一
- 刺禁論篇第五十二
- 刺志論篇第五十三
- 鍼解篇第五十四
- 長刺節論篇第五十五
- 皮部論篇第五十六
- 経絡論篇第五十七
- 気穴論篇第五十八
- 気府論篇第五十九
- 骨空論篇第六十
- 水熱穴論篇第六十一
- 調経論篇第六十二
- 繆刺論篇第六十三
- 四時刺逆従論篇第六十四
- 標本病伝論篇第六十五
- 著至教論篇第七十五
- 示従容論篇第七十六
- 疏五過論篇第七十七
- 徴四失論篇第七十八
- 陰陽類論篇第七十九
- 方盛衰論篇第八十
- 解精微論篇第八十一